日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)とは1998年7月に民間の任意団体、木造住宅耐震補強推進協議会として発足し、1999年3月より国土交通省の認可協同組合として、現在では全国47都道府県にて1000社を超える方々が参加させる国内最大級の「リフォーム関連企業」の全国組織である。
その木耐協が2007年に全国組合員企業約1000社に対するオリジナル工事補償サービスを立ち上げた。従来の工事保険に比べて掛け金が半分以下という工事保険を組合員に提供出来るようにした。当時、大手建材メーカーが組織するリフォームグループの補償に比べても同等以上の制度となった。
共済型の補償制度として木耐協が自主運営することで、このような大幅な保険料削減を可能にするとともに、これまで以上の補償内容の両立を実現した。
リフォーム工事だけでなく新築工事にも使え、地域のリフォーム業界にとって非常に使い勝手の良い補償制度となった。
この補償制度立ち上げにより木耐協が得たメリットは以下の3つである。
1.組合員企業の保険料大幅削減(50%削減)による、協会としての価値向上。
2.組合員組織としての新規収益源の創出
3.新規組合員募集に向けた組合員増強率
このような補償制度はどのようなニーズから生み出されたのであろうか?
●リフォーム業界はリスクが高い業界とみなされ、非常に割高な保険料を強いられている
リフォームに限らず建設業界は高額な掛け金(保険料)のため、リフォーム会社の中には工事高を低く申告して保険料の低減を図ったり、実質的な保険料削減を目的に自社が保険代理店となって手数料を受け取る等の削減策を行ったりしていた。企業の信用性が強く求められる時代に、売上の申告書類の確認や代理店基準の格上げなどこうした行為が行いづらい状況となった。
●内山「リスクの低いところには安い保険で良い」
補償事業構築に当たって、内山が目をつけたのは、全国展開する木耐協の規模と事業内容から来る信頼性の高さと、余分な経費の削減だ。
保険料削減に当たり、保険料の内訳をみると純保険料は5割程度で、残りは手数料や事務経費である。今回の制度では木耐協が事務局を自主運営し、制度管理や事故査定を行なうことで手数料や事務経費を削減した。
木耐協により加盟店を取りまとめて保険を購入することにより、スケールメリットを活かして保険料を安くすることが出来る。リフォーム会社の抱えるリスクの内容は同一で、それに対する同一のコスト(保険料)を共同購買するという発想でスケールメリットを働かせる。
また、セミナーや啓蒙活動を通じてリスクコントロールを自社を行うことにより、モラルリスクが低い。つまり、事故が起きにくい土壌があるということだ。
保険会社は小さな事故の発生を嫌がる。統計学にハインリッヒの法則というのがある。これは300件のヒヤリ・ハットがあると29件の軽微な事故・災害があり、1件の重大な事故・災害が起きるという法則である。小さい事故が多く申請される保険には、大きな事故が起こる可能性が高いということなのだ。よって、この300件のヒヤリ・ハットをいかに少なくできるかが保険料の低減において重要となる。
これらの条件を踏まえて、適性な保険料を計算しなおし、東京海上日動火災、日本興亜損保、エース保険を保険の引き受けとして補償制度を構築した。